
日刊スポーツ12/13日号に掲載されていた広告。半三段。
その名も清酒「六甲おろし」
阪神タイガースファンなら正月にはコレ飲んで「今年こそ優勝を」と祈願したい、灘の地酒はウマいぞ!・・・と思った人!ご注意。
よく見て頂きたい。「井坂酒造場」の住所だ。岸和田市となっている。六甲からは遠く離れているのである。
実はかなり前だけど、ここの蔵元と話をしたことがあって「六甲おろし」の商品名はウチが持ってるんだよね〜ということであった。
「六甲おろし」は本来、急峻な六甲山地を超えた北風が、狭い阪神間の平野に冷たい強風となって吹き下ろす自然現象を指す言葉である。「六甲おろし」と聞いて、強い北風をイメージする人は少なく、むしろ「阪神タイガースの歌」を思い出す人が大多数だろう。
瓶のデザインも見て頂くとわかるが、阪神タイガースを想起させるようなものではない。
その昔、泉州はちょっとした酒処であった。今はほとんどの蔵が廃業したり、また桶買いをしたりされたりで繕ったりしているのが精一杯である。高級料理店の一部で有名な岸和田の蔵元の酒「篁(たかむら)」というのが通の間でもてはやされているが、この酒も桶買いである。蔵元は既に酒は作ってない。
井坂酒造場の名誉のために言っておくが、ここの蔵元の酒はむちゃくちゃうまい。看板銘柄は「三輪福」。純米吟醸は、いわゆる淡麗辛口だが、それだけでは言い尽くせない地酒の豊潤な香り、味わいがある。