話題の全盲ピアニスト、辻井伸行氏と、テレビ番組「題名のない音楽会」で人気の佐渡氏+ベルリン・ドイツ交響楽団のコラボによるCDが発売された。
ぶっちゃけ、私は障がいを持った演奏家の曲は積極的に聴きたいと思えない。何故ならば、最初に「障がい→深い感動」というキーワードがインプリントされてしまうからだ。またプロモーションをする側も「深い感動の」とか美辞麗句を並べるけれど、その多くは彼の音楽家、芸術の表現者としての純粋な評価とは異なるのではないかと思うのだ。
そういう押しつけがましい「深い感動」を既に植えつけられてから、聴かなければならないからである。マスメディアは、なるべく感動的な話題を作りたがるのでやむを得ないのかもしれない。
盲目であることと音楽の表現はまったく別の次元の話。切り離して評価すべきであると提案したい。また、辻井氏も純粋に演奏家としての評価を望んでいるのではないかと思うのだ。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(DVD付)
佐渡裕(指揮) , 辻井伸行(ピアノ) , ベルリン・ドイツ交響楽団
で、この演奏、聴いてみた。率直に言って、かなりの出来栄えである。
ラフマニノフの第二協奏曲は、パワフルで超絶技巧的な第三協奏曲と異なり、緩やかでやさしく歌うような場面が、全楽章にわたって、さりげなく、たくさんちりばめられている。そういう部分をどうやって際立たせるかがこの曲のポイントだと個人的には思っている。そういう点では、辻井氏の演奏は素晴らしいと思う。
ただ、全体的にややあっさりした印象でありもう少しボリューム感があればなって思った。
なお、佐渡裕氏の指揮によるオケとの調和性はバッチリ。佐渡氏の振るタクト(指揮棒)は見えないハズなのに何故?・・・ココが合奏音楽のいいトコロなんだな〜って思ったな。
つまり、辻井氏には、ハッキリ見えてたのだ。タクトの動きが。

